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ノムヒョン政府は実用政府だった

李明博政府、どこへ行く <上>(プレシアン、2008.3.18)からの抜粋


そのような背景を背にして、イ・ミョンバク政府が出帆した。イ・ミョンバク政府はいわゆる「左派理念政府」のノ・ムヒョン政府と反対側に立ち「実用」を目指していると、言論により「正解」化されている。実用政府という言葉の裏には、無駄な理念論争で国力を消耗せず、国民のために行動で結果を見せるという政治的なメッセージが込めてある。イ・ミョンバク政府に対するこのような「正解化」は、この政府に対する肯定的な世論を形成する助けになる。

しかし、ここで私達は検証してみる必要がある。果たしてノ・ムヒョン政府は理念政府だっただろうか?

実用主義(pragmatism)といえば、その哲学的概念の淵源と定義が簡単ではないため、この文章では現在の韓国的脈略を考慮し、一般人が常識的に知っている実用主義から話すとする。








実用主義の最も代表的なケースは、中国の鄧小平が主張した、いわば黒猫でも白猫でも鼠を上手く駆除できればいいという主張だ。つまり、望む目標と結果があり、その結果を出すためには理念に関係なく、最も適切な手段を使えばいいということだ。

そして実用主義が真の実用主義であるためには、手段に対する先入見と偏見が存在してはならず、経験的に証明された手段の効用だけを分析することが望ましい。それでこそ求める目標のために理念を超え、色々な手段を実用的に使用することができるからだ。

極端的な例をあげると、経済成長という目標のために、ある場合は政府の市場介入を最小限にする自由放任的な経済政策を使うこともあり、状況が変われば財政支出拡大を通じた総需要創出など、政府の市場介入が採択されることもあるのが実用政府である。

失業を減らすために北ヨーロッパのような福祉主義、組合主義モデルを援用することもでき、状況が変わればイギリス・アメリカのような新自由主義モデルを持ってくることも出来る。左であれ右であれ、黒猫であれ白猫であれ効用が検証されており、必要であれば使用することが可能でなければならない。北核問題の解決のために、必要ならアメリカと歩みをともにすることもでき、時にはアメリカと別の道を歩むことも出来てこそ実用的だ。

ノムヒョン政府は相対的に分配を強調し、過去の既得権勢力を歴史を正すという理念を持って攻撃し、北朝鮮に対してあげすぎたと認識され、(左派)理念政府だと呼ばれている。しかし内容を覗いてみると、ノムヒョン政府は理念政府というより実用政府と呼ばれることが、より正確だ。

ノムヒョン政府が改革指向的であり、過去よりはもう少し社会福祉と分配を強調し、また、主流勢力を新しい勢力に交替しようとした点では、改革勢力であることは間違いないが、政策の内容を見ると、左派よりは右派的な内容がとても多く入った、右派実用政府に近い。

ノムヒョン政府は就任初期から、国民所得2万弗達成という成長指向的な国家目標を立て、新自由主義に近い法印税下げ、特所税下げ、財閥規制緩和などを許した。任期末には、新自由主義の決定版といえる、韓米自由貿易協定(FTA)を採決した。自らを左派新自由主義だと言ったところを見ると、ノムヒョン政府自らも自分を黒猫でも白猫でも気にしない実用政府だと規定していたのではないかという考えが浮かぶ。

経済問題だけでなく、北核問題においても、進歩的な理念にこだわるよりは実用的な対応をしたように見える。私たちの解決法がアメリカと違う場合はアメリカと対立したが、戦時作戦統制権移譲、米軍基地再編、駐韓米軍の戦略的柔軟性などではアメリカの要請にほぼ完璧に答えてやっている。海外派兵も、支持基盤の離反を引き換えにしながらもアメリカの要請を聞いてあげたことになる。逆に、大量殺傷武器拡散防止構想(PSI)やミサイル防御(MD)の問題は最後まで拒否する意地も見せたが、これは親米だ反米だの理念を超えて、実用的に対米関係を解いていったと解釈できる。(もちろん、その成敗に対する判断は別の問題だ)

国内政治もハンナラ党と大連立を試みたりと、内閣にサムスン人脈の長官と新自由主義哲学の財経部官僚を座らせたりもした。出発は湖南に基盤を置く政権だったが、核心要職の相当数が釜山慶南の人事で埋まったのも、考えてみればとても実用主義的な選択だとしかいいようがない。つまり、目標のために理念と固定観念を超えて柔軟に手段を活用した点で見ると、ノムヒョン政府は実用主義政府である。

しかし不幸にも、ノムヒョン政府があまりにも実用主義的だったため、自らの支持の基盤を喪失し、結局、進歩と保守、両方から攻撃されるという結果を招いた。そして新自由主義の実用的な活用は、支持基盤の庶民に対して惨い経済的負担を抱えさせ、政権を終えることになった。政権末のノムヒョン政府の低い支持率は、世論を主導する保守言論の力のせいでもあったが、このような過剰な実用性を反映したといっても過言ではない。

このような実用主義政府が主流言論と保守学会から「左派理念政府」と規定されることは、どうやら韓国だけの珍しい現象ではないかと思う。(後略)

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続く「李明博政府、どこへ行く<中>」は、李明博政府こそが理念に縛られているという込み入った内容ですが、
飛ばして<下>の李明博政府が踏んでいる地雷:情報化社会の透明性しか手を出していません…。申し訳ない。
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by no_kirai | 2008-07-24 03:18 | 解説 & 番外記事
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