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「アイアンマン」と狂牛病集会。新保守に対抗する保守。


注意:詳細ではありませんが、映画「アイアンマン」の、若干のネタバレを含みます。

以下は2008年5月4日に書かれたブログの文章です。








「アイアンマン」でもっとも印象深かった台詞は、オバディアがトニー・スタークを嘲笑いつつ投げかける一言です。「お前は保守的すぎるよ」お、驚くべきことです。悪党が、それも父の世代の老いた人が、若い英雄を「保守的」だと笑うとは。ならば考えられる理由は二つしかありません。オバディアが進歩陣営の毒素だけを集めた人物か、もしくは新保守を代表する人物かです。答えは明白です。

この映画で政治的な悩みを見出すことは困難です。テロリスト達の目標が「世界(アジア)征服」ということからしてそうです。私の知る限り、今のアフガニスタンでアジア征服を目ざす輩の中で、テロリストはいないと思いますが、それにテロと武器を持ってして世界征服をするという安易な発想もまた驚きです。これから私がアイアンマンスーツを着た100人のテロリストとアメリカを攻撃して木っ端微塵にしてから征服できるとしましょう。そうすると私の得られたものは株価爆落+大量失業+政治恐慌によって回生不可能な状態まで転落した後進国のアメリカに過ぎないでしょう。

結局、ここで私達が見つけるべきものは、テロリストではなく、真の敵-企業内部にある-でなければなりません。もちろん、この内部の敵は、オバディア、旧保守を嘲笑う新保守、新自由主義者、愛国と人権の仮面さえも捨てた賎民資本主義、ベトナム戦(映画ではアフガニスタン)での保守(アイアンマン)を改良し、付け加え、より巨大で奇怪になった新保守(アイアンモンガー)なのです。



そしてこの新保守への対抗馬がまさに主人公のトニー・スターク、アイアンマンです。しかしこの対抗馬のすることときたら…まとめてみると大したことはありません。OTL 軍需産業を無くすと言ってはいますが、その次に何をすべきかは分かっていません。テロリストを粉砕しますが、こんなことをしてもテロリストが生み出される根本の原因は解決できません。それに自分の国の軍隊の許可無しで動き自分の国の飛行機と戦います。このすべての「違法的」なことは、人脈で解決します。最後の敵、アイアンモンガーもまた、登場してからすぐ退場するため、作中での影響力はありません。

このショーマンシップに満ちた英雄は、とても軽いです。特に原作との大きな違いを持つ最後の場面は、彼がショーマンシップに満ちており、自己陶酔に落ち、理論的な核心や長期的なビジョンもなく、人権の仮面も捨てた獣面獣心の新保守を処断したという、たった一つの象徴だけで、地位を得ようとするように感じられます。

「アイアンマン」は面白い映画です。そして殆どの人々が、その映画で取り上げる長所は、「悩まない軽さ」です。この軽さは、政治的な中道路線を目指す、最近の若い世代の好みに沿っています。その政治的中道そのものが幻想だということを知らず、自らを中道だと、脱政治的だと言い、単純に悪を倒すだけという矛盾した彼らの姿はこうも軽いのです。新保守に対抗する保守達の姿はこうです。狂牛病集会行進で、政治的な旗も、政治的な合言葉もなく、新たな姿で誕生したその姿が、まさにこの自己中心的なスーパーヒーロー、「アイアンマン」と重なって見えるのです。



私は別に「あいつらも、狂牛病集会参加者も、どっちもアホな保守なのだ」などと皮肉るためにこの文章を書いたわけでは決してありません。そう思ってもいません。保守で何が悪い。そもそも新保守に対抗するこのような相関関係は、新保守が「常識」という最小限のフレームさえも捨てた現状では、必然的に生じるしかない状況だったのです。今の対立関係は、保守vs進歩ではなく、非常識vs常識だからです。そして当然のことですが、ここでの勝利者は常識になるはずです。(ただ、狂牛病に関連した怪談が力を得ている理由は、その逆の側が、それよりも遥かに非常識だからでしょう。この怪談ももうすぐ消えると思います)

私はこの保守が、今の姿を維持したままで、そのまま残るだろうとは考えていません。なぜなら、「アイアンマン」の「本物」の最後の場面は、ショーマンシップに満ちたトニー・スタークの一言ではないからです。クレジットが全て流れ、「君のような考えをしている者が、君1人だと思うか?そうではない。すでに君より遥か昔から、このような問題について悩み、社会的に解決するための努力が存在していた」という1人の侵入者が、映画の幕を下ろす「本物」でしょう? この新保守の終焉と、新しく復活する保守は、発見するはずです。事後の再発見なのですが。

この勝利の後に、私達の隣にいつも一緒に「常識的な」声を上げ、街で力のない人、弱い人々と一緒に立っていた彼らは、発見せずにはいられないはずです。私が今誰のことを言っているかは、皆さん自らで、それぞれ考えてもらえると幸いです。もちろん、彼らが朝中東でないことは確かです。とにかく、新しく誕生したアイアンマン達が、自分の内面から発見した力にすぐ飽きてしまうことなく、立派な、常識的なことに、その力を使ってくれることを願います。





*書き手にアメコミ全般についての知識はないようです。
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by no_kirai | 2008-06-27 00:32
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